この記事では、世界を代表する金融情報サービス企業であるS&Pグローバルを紹介します。
S&Pグローバル【 ティッカー：SPGI】
S&Pグローバルは以下の主要な事業部門を持っています。
- Ratings： 企業や国の信用リスクを評価し、格付けする部門です。投資家が投資先を選定する際の重要な指標となります。
- Market Intelligence： 金融市場の情報を収集し、分析する部門です。金融機関や企業が市場の動向を把握するためのデータや分析を提供します。
- Platts： エネルギーや商品市場の価格情報と分析を提供する部門です。エネルギー、金属、農産物などの商品市場のプライシングと分析に特化しています。
- Indices： 金融市場の指数を計算・公表する部門です。世界で最もよく知られた株式指数であるS&P 500やダウ・ジョーンズ工業平均などを提供しています。
これらの事業部門を通じて、S&Pグローバルは金融機関、企業、政府など、あらゆる種類の顧客に対して、評価、リサーチ、データ、ベンチマークなどのサービスを提供しています。
資産運用は現在アクティブ運用からパッシブ運用へという大きな流れの中にあり、S&P 500やダウという主要インデックスを保有する同社への追い風となっています。
サブスクリプション収入が90%を超えており、収益の予測可能性と安定性も非常に高いです。
S&Pグローバルの株価推移
1985年以来、年利14.43%で上昇を続けています。
S&Pグローバルの各投資指標
過去10年の平均ROAは18％と非常に高く、EPSとBPSは安定的に、かつ急速に伸びています。これらのことから、S&Pグローバルの高い競争力と安定した収益の拡大が窺えます。
S&Pグローバルは世界で稼ぐ先進国企業
今後、ますますアジアとアフリカの人口とGDPのシェアは増えていき、先進国のシェアは減っていきます。
自国内や先進国だけでなく、このような新興国でも収益を上げることが、企業にとっても保有する株式の値上がりを望む投資家にとっても今後ますます重要になっていきます。
S&Pグローバルは世界中で事業を展開し、この世界的な流れに対応しています。
S&Pグローバルは高付加価値企業
格付けと各種分析事業
S&Pグローバルが提供する格付けや分析は、投資家の投資判断をより容易にし、企業は出資を集めやすくなります。これらの情報がなければ、投資家は投資判断を下すことが困難になり、企業は資金を集めるのが難しくなるでしょう。
インデックス事業
S&Pグローバルは、言わずと知れた有名インデックスであるS&P500とダウを提供します。これらの指数は投資家が資産を形成するのに役立ち、投資家が資産形成を助けてきました。
S&Pグローバルは強固な参入障壁を持つ
格付けと各種分析事業
格付け業界は厳しい規制の下にあり、新規参入が事実上不可能になっています。さらに、投資家から信頼される分析を提供するには、長年の実績と信用が不可欠です。これらを持たない新規参入企業の分析は、市場から信頼されにくいと言えます。
インデックス事業
S&P500やダウなどの指数は、既に莫大な資産を運用しており、すでに投資家から深い信頼を得ています。これらの指数を超える新たな指数を作成することは、非常に困難であると考えられます。インデックス投資家は一般的に長期投資を基本とするため、既存の指数から運用資産が大きく移動する可能性は低く、これも新規参入を困難にする要因となっています。
以上の要素から、S&Pグローバルは、その地位を確保する強固な参入障壁を有していると言えるでしょう。
S&Pグローバルは長期潮流に乗っている
S&Pグローバルは、アメリカ経済の成長という長期的な潮流に乗っています。アメリカ経済が成長すると、それに連動して、S&Pグローバルの主力事業である格付けや各種分析業も成長します。これらはその性質上、独占的な事業となっており、市場の拡大はそのままS&Pグローバルの業績向上につながると見込まれます。
また、アメリカ経済の成長は、S&P500やダウ・ジョーンズ工業平均指数など、S&Pグローバルが運営する主要な株式指数の上昇を意味します。これらの指数が上昇すると、投資家のさらなる信用を集め、さらなる資産流入が見込まれます。これにより、S&Pグローバルがこれらの指数から得る手数料収入が増加します。
このように、アメリカ経済の成長とともに、S&Pグローバルはその強固な参入障壁を背景に、格付け、各種分析、株式インデックスの運営といった事業を通じて、堅実な成長を遂げると見込まれます。S&Pグローバルは長期的な成長潮流に乗る企業と言えるでしょう。
まとめ
S&Pグローバルは、格付けなどの各種分析とS&P500などの株価指数の算出を行う世界的な金融情報サービス企業です。そのサービスにより、投資家の投資判断を容易にし、企業の資金調達を円滑にするなど、高い付加価値を創出します。
また、格付けや分析業界における厳格な規制と、既存の指数への深い信頼から、S&Pグローバルは強固な参入障壁を持つと言えます。これらの要素は、安定した収益を期待できる状況を形成しています。
さらに、アメリカ経済の成長と新興国の経済発展という世界的な経済成長の恩恵を受けていることから、S&Pグローバルの成長は今後も続くでしょう。これらの要素から、S&Pグローバルは長期投資に適した企業であると考えられます。
