【保有銘柄】Amazon.com Inc.【AMZN】の銘柄分析

Amazonは言わずと知れたネット通販の覇者です。

売上の構成比は以下のようになっています。

AWSと実店舗以外の8割以上はamazon.com(日本ならamazon.co.jp)のウェブサイト上での収益です。

まずは特に重要なこの部分に焦点を当てます。

Amazon.com(EC事業)

Amazonはいち早くネット通販プラットフォームを構築し、豊富な品揃え、圧倒的な低価格、翌日配送を主な武器として顧客の利便性を極限まで高め、不動の地位を築いています。

これを実現するための一番の基礎となっているのが、同社が長年設備投資を続けてきた物流網です。

おそらくこれが最も大きな新規参入の障壁となっており、Amazonの優位性を守っています。

30年近くに渡る設備投資に追いついてAmazon並の利便性を実現することはほとんど不可能でしょう。

また、Amazonサードパーティーセラーと共存関係になることで優位性をさらに強化しています。

サードパーティーセラーとはAmazon以外の販売者のことを指し、出店料無料で出店することができます。

Amazonでは基本的に誰でもすでに売れている商品ページに自分の出品を表示することができ、他のECサイトよりも簡単に売上を立てることができます。

楽天Yahoo!ショッピングであれば一から商品ページを作り、広告を打つなどして集客をする必要があります。そこまでしても売れる保証はありません。

Amazonでは一つの商品ページに多数の出品者が出品するため、必然的に価格競争が起きます。

Amazon自身もその強力な価格交渉力により安く商品を仕入れて販売していますが、以下のようにただでさえ安いAmazonよりもさらに安い価格で出品するセラーが現れることもしばしばです。

また、Amazonよりも安く出品すればカートを取れることも多く、サードパーティーにも販売チャンスが多いことも出品者を惹きつけます。

カートとはAmazonの商品ページの「カートに入れる」の部分です。購入者は意識していないと思いますが、この部分を取れる出品者は一人のみであり、ここを取れないとなかなか売れません。

このような熾烈な価格競争により、Amazonはどこよりも安いという状態が自動的に維持され続けます。

また、もちろん新たな商品ページを作って販売することもできます。その際はAmazon上の検索結果の上位に表示するためにAmazonに広告料を払います。

既存の商品ページに新たに出品すると価格競争により利幅がどんどん狭くなっていきますが、新たに出品すれば暫くの間は独占的に高めの価格で販売することができます。

もちろん、ある程度の時間が経過すれば他の出品者も出品してきて利幅は狭くなります。

そうなればまた新商品開拓の強烈なインセンティブが働きます。

このようにして、Amazonの商品ラインナップはどんどん豊富になっていきます。

さらにAmazonは同社の巨大な物流網をサードパーティーセラーに提供するサービスを用意しています。

これを利用するとサードパーティーセラーは在庫の管理と購入者への配送をAmazonに安価で代行してもらうことができ、出品者の利便性が大幅に向上します。

出品者が直接購入者に商品を送るよりAmazonが代行したほうが早く商品が到着するため、購入者の利便性も向上させています。

先述の通りAmazonは巨額の設備投資により物流網を強化し続けており、サードパーティーセラーにとっても購入者にとってもどんどん便利なサービスとなっていっています。

このような正のフィードバックによって、豊富な品揃え、圧倒的な低価格、翌日配送などの他のECサイトを寄せ付けない優位性が強化されていきます。

他のECサイトAmazonに打ち勝つことはほとんど不可能と言えるでしょう。

AWS

AWSAmazonクラウドサービスです。

クラウドサービスはこれまでなら構築に何ヶ月もかかっていた自社サーバー設置の手間をなくし、しかも安価で、使った分の料金だけを払えばいいという夢のようなサービスです。

このようなクラウドサービスが登場する前は、サーバー利用量の増加が見込まれるたびに多額の費用をかけて自前のサーバーを増強する必要がありましたが、クラウドを利用すればその必要はなくなります。

Amazonはいち早くAWSをリリースし、クラウド市場でトップシェアを誇ります。

クラウドはその性質上、安定性とセキュリティが非常に重視されます。

自社のサーバーの代わりにすべてのデータや社内ツールを預けるわけですから、しょっちゅうサーバーが落ちたり情報漏洩が起こるようでは困ります。

世界各国に業界最多のサーバーを抱えるため安定性とトラブル耐性が高く、長年セキュリティを高めてきたAWSはこの2点において信頼性が高く、業界トップの座を不動のものとしています。

Amazon

ここまでで述べた優位性により、売り上げは一貫した右肩上がりとなっています。

Amazonは創業から30年が経とうとしていますが、今でもスタートアップ並の設備投資と研究開発を行っており、利益にはあまりこだわっていません。

そのためROEや利益額・EPSの推移はあまりきれいな形はしていません。

ただし、売上は順調に成長しており、株価も右肩上がりに成長してきました。

私はAmazonは今後も持続的な株価上昇を遂げると考えており、同社の株を保有しています。

参考文献:

moomoo証券

TradingView

https://www.statista.com/chart/18819/worldwide-market-share-of-leading-cloud-infrastructure-service-providers/

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