私の金融ポートフォリオ

この記事では現時点で私が考えている金融ポートフォリオを紹介します。

前提条件

当然ですが、これから紹介する戦略は私の考え方や属性に最適化されています。

むやみに模倣することは推奨しませんのでご注意ください。

属性

まずは私の属性についてです。

私は現在19歳の都内国立大の理系学部生です。

中学1年生の頃から商売をしており、最低でも新卒の給料くらいの利益は毎月コンスタントに上げてきました。

吹けば飛ぶような儚い零細事業ですが、同年代に比べれば圧倒的に収入が多く、株式投資に多くの資金を回すことができています。

他にもアルバイトの収入があります。

将来的には、事業を続けながらデータサイエンティストもしくはその周辺で就職して働くつもりです。

投資哲学

このように私は残存投資期間が長く、収入も今後恒常的に増加していくことが予想されるため、現段階ではリスクを取り積極的な運用を行うことが最適戦略となります。

また、私はFIREを目指しているわけではないので、保守的な運用やリタイア後の資金計画を考慮する必要はありません。

そのため永遠に追加入金を続ける前提でこの戦略を組んでいます。

これらの前提から生まれた投資哲学を説明します。

  • 投資に時間をかけない
  • ルール化できる再現性の高いことしかしない
  • 相場を読まず感情を入れず、機械的にルール通りに売買する
  • しっかりとした理論や利益が出る構造上の理由が背景にあるものだけを採用する

まず、私にとって金融商品への投資は人生の選択肢を広げるための一手段でしかなく、これにあまり時間を取られたくありません。(私個人の価値観です)。

そのため、相場を読んで空売りを仕掛ける、投資家の思惑を読んで流行り株に乗るなどの、その時々で判断が求められ、短期で売買をすることになる投資法にはできるだけ手を出しません。

しっかりとした理論や利益が出る構造上の理由が背景にある、安心して実行でき、なおかつルール化できる手法を組み合わせて、前もって決めたルールに従って機械的に売買します。

投資期間

投資期間は「死ぬまで」、もしくは「子供などに継承し永遠」を想定しています。

そのため、実現可能性はともかく最低でも80年くらいは耐え得る投資戦略を目指しています。

入金タイミング

タイミングは考えません。

事業とプライベートの両方の収入から支出を差し引いた後の手残りの合算を、発生したタイミングですぐに全額株式の購入に充てます。

リスク管理の考え方

リスク分散は、追加入金と長期投資によって行います。

ヘッジは特別に行わず、追加入金を続けることでリスクを管理します。

市場が下落しても継続的に投資することで、平均取得価格を下げ、長期的なリターンを目指します。

生活防衛資金

投資戦略の説明に入る前に、生活防衛資金について説明します。生活防衛資金は、すぐに現金が必要になったときのための貯蓄です。

現在はまだ大学生なので50万円としていますが、社会人になれば100万円くらいに設定しようと考えています。

元本確保と流動性を何よりも重視し、インフレに弱いことには目をつぶってすべて普通預金保有しています。

アセットアロケーション

まずは株や債券、金、現金などの中からどんな資産に投資するかです。

結論としては、先ほど説明した生活防衛資金以上の余剰資金のほとんどすべてを株式にします。

https://media.rakuten-sec.net/articles/-/35096

これは各アセットごとの過去200年余の推移ですが、インフレの出現により他のアセットのリターンが悪化している一方で、インフレをそのまま価格上昇に取り込める株式は一直線に上昇して圧倒的なリターンを示しています。

金や債券は価値の保存には良いでしょうが、インフレに勝つことはほとんどできないので資産形成には適していません。

現金は論外ですね。

そのため、ほとんど株式100%で問題ないと考えています。

ポートフォリオ

次はポートフォリオです。

恒常枠と臨時枠を用意しています。

これは一定の比率を保つのではなく、図の通り別物です。

名前の通り恒常枠は常にポジションを持ち続け、臨時枠は特定の条件下でのみポジションを取ります。

恒常枠

パッシブ運用とアクティブ運用が3:2になるように運用します。

私はまだ若くリタイア願望もないため残存投資期間が長く取れます。

ですから年間リターンを1%でも高められれば大きな恩恵を受けられます。

パッシブ投資の洗練度とこれに勝つことの難しさは十分理解していますが、追加入金ができる期間の長さと今後の入金力の増大を考えると、パッシブのみの運用よりはアクティブ運用に挑戦する方が生涯リターンの期待値は高くなると考えます。

ひとまず5年間、パッシブ運用に勝てるか試すつもりです。

上手く行かなかった場合の損失と自分が本気になれる掛け金のバランスを考慮した結果、この比率に設定しました。

パッシブ運用

パッシブ運用では全世界株式インデックス:2倍レバS&P500=9:1の比率で積み立てます。

全世界株式インデックス

全世界株インデックスへの投資は、世界中の株式市場に幅広く分散して投資する方法です。これにより、世界経済の成長の恩恵を受けることができます。さらに、この方法は再現性が高く、効率的な投資手法として知られています。

この投資手法は、現代ポートフォリオ理論という理論に基づいており、ノーベル経済学賞を受賞するほどの評価を受けています。実際に過去数十年において、インデックス投資はおよそ年平均7%(幾何平均)の利益を上げ、機関投資家や年金基金などの”投資のプロ”の8割に勝ち続けています。

私自身は全世界株式インデックスをコア資産として活用します。

詳しい情報は以下の記事をご参考にしてください。

S&P500・2倍レバレッジファンド

現代ポートフォリオ理論ではまた、インデックスにレバレッジをかけることで、より大きなリスクを受け入れる代わりに最適比率のまま(=シャープレシオを変えずに)より大きなリターンを得られることも示されています。

前述の前提から私にはレバレッジをかけるインセンティブが生じます。

過去100年弱において、S&P500の最適なレバレッジは約2倍であったと計算により求まります。

しかし、レバレッジをかけるためのコストやテールリスクを考えると、そこまで高いレバレッジは現実的ではありません。

そこで、レバレッジ2倍の投資信託を用いて、全体としてレバレッジ1.1倍となるように調整しています。

レバレッジのかけ方

日次リバランス型のレバレッジETFもしくは投資信託を用います。

保有年数ごとの逓減確率

レバレッジETFは逓減するので長期保有には不向きと言われていますが、実証的には保有期間が長期になるほど逓減する確率は減少して行きます(=逓増する確率が増加していきます)。

例えばS&P500の2倍レバレッジETFを30年保有したとき、日次の騰落率が過去100年弱と同じ幾何平均と分散で対数正規分布するとすれば、逓減する確率は約37%です。

日次リバランスであることでロスカットの可能性がないというメリットを考慮すると、十分実用に耐えると言えるのではないでしょうか。

詳しくは以下の記事にまとめています。

現物とレバレッジで投資先を変える理由

現物には全世界株式、レバレッジ商品にはS&P500の2倍レバレッジ投資信託を選定しています。

一見、現物とレバレッジで異なる投資商品を選ぶのは不自然に思えるかもしれません。

理由としては、現物投資ではより現代ポートフォリオ理論に忠実な全世界株式を選択しています。

一方、レバレッジをかけるために先物を利用する際には(レバレッジETFも内部で先物を用いてレバレッジを掛けています)、テールリスクに備えるため、以下の条件を満たす商品を選んでいます:

  • シンプルな構造
  • 時価総額が大きい
  • 透明性と流動性が高い
  • 日次のサーキットブレーカーが存在する

これらの条件を満たすものとして、S&P500の2倍レバレッジ投資信託を選択しています。

S&P500は市場の代表的な指標であり、流動性も高いため、テールリスクに最も強いインデックスであると考え、妥協案として採用しました。

アクティブ運用

アクティブ運用では決まった比率を決めず、いくつかの区分けで運用しています。

GVMTインデックス

私が勝手に作ったGVMTインデックスという指数に連動する運用を目指しています。

この部分がアクティブ運用のほとんどを占めます。

簡単にまとめると、強固な経済的な堀を築き、今後も長期に渡って他社を寄せ付けずEPSを急速に拡大させることのできる企業への投資を行うファンドです。

作成時のミスで「インデックス」という名前になっていますが、実態はファンドです。

詳しくは以下の記事にまとめています。

TMHGファンド

少額でこのファンドに連動する運用をしています。

このファンドは、GVMTインデックス採用銘柄ほど経済的な堀を持たないものの、時流に乗って中期的に大きくEPSを伸ばす(基本的に年50%以上)と見込める銘柄への投資です。

執筆時点ではNVIDIAと韓国造船海洋を保有しています。

その他

その他、単に良いと思ったものや面白いと思ったものへの投資も少額に限り行っています。

執筆時点では2244やBTCを保有しています。

臨時枠

S&P500・3倍レバレッジファンド

市場暴落時には、追加入金先をすべてS&P500の3倍レバレッジファンドのみに変更し、平均的に単位時間あたりの上昇率が最も高い暴落後の回復期の上昇を狙います。

3倍レバレッジETFは長期保有には不向きですが、このタイミングの保有であれば蓋然性の高い運用ができると考えています。

半永久的にに追加入金を続けるため、市場が下落し続けるほど安く多く購入することができ、大きなリターンが見込めます。

購入タイミング

MPIという私が作ったインジケーターがあります。

MPIの詳細な計算方法や活用方法については、こちらの記事をご参照ください。

 

追加入金先を3倍レバに変更するのは、元指数(S&P500)でこのインジケーターの売りシグナルが出た後、レバレッジファンドが最高値から50%以上下落している間です。

売却タイミング

元指数(S&P500)でMPIの売りシグナルが出たときに、臨時枠の資産をすべて売却し、パッシブ運用とアクティブ運用の比率が3:2になるように資金を振り分けます。

税金や手数料などのコスト面の考慮

可能な限りNISAを利用し、税制優遇を最大限に活用します。

手数料の低い証券会社を選定し、ファンドについては手数料の少ないものを選ぶことでコストを最小限に抑えています。

資金が不足した場合の対応

結論:追加入金の資金が不足した場合、投資の優先順位を以下の順序で行います。

  1. 現物インデックス
  2. レバレッジインデックス
  3. アクティブ運用

インデックスの積み立てを最優先とし、インデックスとアクティブ運用の比率を3:2に保つために、余剰資金でアクティブ運用を行います。

資金が足りず、新規入金の振り分け比率を維持できない場合は、上記の順序で積み立てを優先します。

これにより、重要なインデックス投資を確実に行います。

この投資戦略のメリットとデメリット

メリット

  • 長期的な資産成長:残存投資期間が長いため、複利効果を最大限に活用できます。
  • 積極的なリターン追求レバレッジを適度に活用し、高いリターンを狙います。
  • 市場下落時の機会活用:3倍レバレッジETFを活用することで、市場の反発時に大きな利益を得る可能性があります。

デメリット

  • リスクの増大レバレッジを活用するため、市場の急激な下落時には大きな損失を被る可能性があります。
  • 資金的な余裕が必要:追加入金によるリスク管理を行うため、継続的な資金投入が前提となります。
  • アクティブ運用の不確実性:インデックスに勝てない場合、期待したリターンが得られない可能性があります。
  • 複雑な運用管理:複数の投資商品を組み合わせるため、運用管理が複雑になる可能性があります。

よくある質問(Q&A)

Q1:レバレッジ投資はリスクが高くないですか?

A1:確かにレバレッジ投資はリスクが高まります。しかし、私は長期投資と継続的な追加入金を前提としており、それによりリスクを軽減できると考えています。市場が下落した際にも追加入金を続けることで、平均取得価格を下げ、長期的なリターンを目指します。

Q2:市場が大きく下落した場合、どう対処しますか?

A2:市場下落時には、むしろ積極的に投資を続けます。価格が安くなることで多くの資産を購入でき、長期的なリターン向上につながると考えています。また、投機枠として用意している3倍レバレッジETFを活用し、低価格での追加購入を行います。

Q3:アクティブ運用でインデックスに勝てる自信はありますか?

A3:確実に勝てる保証はありませんが、5年間試してみて成果を確認します。上手くいかなかった場合は戦略の見直しを検討します。アクティブ運用は市場平均を上回るリターンを狙うものですが、継続的な評価と調整が必要です。

Q4:レバレッジ1.1倍とした理由は何ですか?

A4レバレッジ2倍が最適とされる一方で、コストやテールリスクを考慮し、レバレッジ1.1倍に調整しました。これにより、過度なリスクを避けつつ、レバレッジ効果を適度に享受することが可能となります。

Q5:MPIの売りシグナルが出た後の具体的な行動は?

A5:MPIの売りシグナルが出た場合、投機枠の資産をすべて売却し、パッシブ運用とアクティブ運用の比率が3:2になるように資金を振り分けます。

まとめ

今回ご紹介した投資戦略は、パッシブ運用とアクティブ運用を組み合わせ、レバレッジを適切に活用することで、リスクを分散しながら高いリターンを目指すものです。

長期的な視点と継続的な投資を基盤に、柔軟な戦略調整を行うことで、変動する市場環境に対応しています。

免責事項

本記事は情報提供を目的としており、投資助言や推奨を目的としたものではありません。投資に際しては、専門家の助言を受け、ご自身の判断で行ってください。


この記事は執筆時点(2024年11月9日)の情報に基づいています。市場の状況は常に変動するため、最新の情報を確認してください。

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