インフレでもデフレでも貯金を守れる「物価連動国債」について徹底解説

こんにちは。

今回は、インフレでもデフレでも貯金を守れる「物価連動国債」を紹介してみたいと思います。

ざっくり説明すると、ちゃんと利子が付いて、償還額と利子が物価に連動するのでインフレに備えられ、デフレで物価が下がり償還額が元本割れしたとしても、元本保証なので*額面と同じ金額で取得できれば損することは絶対にない、というぶっ壊れ債券になります。

※インフレ期待が高い場合、発行時に取得したとしても取得単価が額面より高くなる場合があり、元本保証は額面に対してなのでデフレになるとその差額の範囲で損をし、そこを超えるとデフレの恩恵を受けられます。超が付くようなデフレには保険がかけられますが、完全ではないので、現金と半々で持ちデフレに備えるなどの工夫が必要です。

すぐに引き出す必要のない分の貯金をこの債券にしておけば、銀行預金より遥かに高い利息を受け取れる上、途中売却せずに償還日まで持ち続ければ、インフレでもデフレでも相対的に得をできることになりますね。

引用元:預金種類別店頭表示金利の平均年利率等について-日本銀行金融機構局-2022年3月30日

物価連動国債の利率(預金の100倍)

引用元:東京海上セレクション・物価連動国債-目論見書

だたし、これは運用益を得るためではなく、いつか生活費として使うために貯めているお金をインフレから守るために使うべきです。

銀行預金よりはよっぽどマシとはいえ、金利0.1%ではたかが知れています。

株や外国国債に投資すれば、最低でも年2%は受け取れるでしょう。

この記事では、そんな物価連動国債の仕組みやリスクを詳しく解説していきます。

物価連動国債の仕組み

ノーマルな債券の仕組みをざっくり解説

物価連動国債の仕組みを説明する前に、まずは通常の債券の仕組みについて説明します。

債券は国や会社にお金を貸すことで、契約時に決めた利息を半年ごとに受け取り、償還日に元本をそのまま返却してもらえる権利証です。

発行元の国や会社が破綻しない限りは必ずこの契約は履行されます。

金貸し業者と同じことをしていると考えるとわかりやすいでしょう。

物価連動国債の場合

物価連動国債の商品設計-財務省

物価連動国債の場合はこれに一工夫を加えてあり、利率と償還額が、そのときのCPI(全国消費者物価指数)の上下落率に応じて変動します。

発行時から現在までCPIが何倍になったかは以下の計算で求められます。

現在のCPI/発行時のCPI

ですので、物価に連動した償還額は

額面金額×(償還時のCPI/発行時のCPI)

物価に連動した利子額は

額面金額×(利払時のCPI/発行時のCPI)×表面利率/2

となります(最後に2で割っているのは、利払いが年2回あるためです)。

物価連動国債は元本保証

この国債は償還額は物価に連動してインフレ時に得をできるので、本来ならデフレとなった場合には逆に償還額が元本より減ってしまいます。

しかし驚くべきことに、日本国の物価連動債は元本保証となっており、物価が下がったとしても*損をすることはありません。

※額面金額で取得できた場合。先述の通り、額面と取得金額が乖離している場合はこの限りではない。

財務省の公式ページに何箇所も「(額面に対して)元本保証」と書いてあるので、信用できない情報ということはありません。

物価連動国債の商品設計-財務省

※利子額については元本保証は適用されないため、物価が下がると利子額も減りますが、そもそも利率が低いのでそこまで気ににする必要はありません。

物価に連動させるルールを反故にされる可能性はないのか

私もここまで好条件なのには何か裏があるのではないかと疑ったのですが、調べたところ、その可能性は低そうです。

「平成十六年財務省令第七号 物価連動国債の取扱いに関する省令」というものがあり、その中でこの省令は「国債に関する法律(明治三十九年法律第三十四号)第一条第一項及び第二条ノ二の規定」に基づくと記載があります。

国債に関する法律(明治三十九年法律第三十四号)第一条第一項及び第二条ノ二の規定に基づき、物価連動国債の取扱いに関する省令を次のように定める。

平成十六年財務省令第七号 物価連動国債の取扱いに関する省令

この省令は財務省の長が定めたものであり、明治から続く法律に準拠すると記載してある以上、そう簡単には覆ることはありません。

明治三十九年法律第三十四号(国債ニ関スル法律)

覆るとしたら、それは日本国債が全て紙切れになってこの国が破綻したときくらいでしょう。

物価連動国債のリスク

物価連動国債に限らずすべての債券に共通するリスクですが、以下の4つがあります。

  • 価格変動リスク
  • 金利変動リスク
  • 信用リスク
  • 流動性リスク
価格変動リスク

償還まで持ち続けるならば関係のない話ですが、発行済の債券を途中で売買する場合は市場の思惑など様々な要因で価格が変動します。

これについては償還まで持っているだけで回避できます。

金利変動リスク

債券よりもさらに安全な預金の金利が十分高いならば、誰も債券を買おうとはしません。

それでも国はお金を借りる必要がありますから、新規発行の国債金利を上げて魅力を増します。

すると既発債の低い利率では割に合わないので、既発債を売りたい人は何とかして利率を上げなければ買い手が付きません。

償還額や利率は変更できないので、実質的な利回りを上げるには売却価格を下げるしかありません。

これが金利リスクで、金利が上がるだけで債券価格は1つの例外もなく下落します。

逆に、金利が下がれば債券価格は上昇します。

ただ、これも償還日まで待てば関係ありません。

信用リスク

これは発行元が破綻してお金が戻ってこなくなるリスクです。

国債の場合は日本国が破綻しない限りこのリスクを気にする必要はありません。

もし日本が破綻するようなことがあっても、一夜にして突然日本が破綻するようなことはなく、金利上昇と国債の暴落(金利リスクで触れたとおり、金利が上昇すれば債券は下落し、大量の国債を引き受けている大手銀行などが債務超過に陥る可能性があります)、そしてインフレでジワジワといたぶられた末に破綻します。

その場合、インフレ率より市中金利の方が高くなれば物価連動国債も暴落しますが、償還日が近づくにつれて上昇し、償還日には物価上昇分を加えた元本が帰ってきます。

償還日の前に日本が破綻してしまえば元も子もないのですが、それには後述する投資信託を利用すれば、残存期間1年〜10年ほどの物価連動国債分散投資でき、常に償還日を最短1年に固定することができます。

1年以内に一国が破綻することは考えにくいため(ギリシャも破綻まで数年かかった)、物価連動国債は信用リスクが露呈したときにこそ役に立つ商品と言えます。

流動性リスク

最後の流動性リスクは、その国債の買い手と売り手が少ないことで、売りたい時に買い手がおらず、売れないか、大幅に安い価格でしか売れないというリスクを指します。

ただし、インフレが起きていないのであれば売る必要はありませんし、高インフレとなっているならばインフレから貯金を守るために物価連動国債を買いたい人はいくらでもいるでしょう。

それに、償還日まで持ち続ければ元本と物価上昇分が戻ってくるんですから、無理に途中で売却する必要はありません。

物価連動国債を償還年ごとに分散購入できる投資信託

最後に、物価連動国債の購入方法ですが、個人向けにこれを販売している金融機関が少なく、額面も1,000万円と高額で、そうそう手が出せる価格ではありません。

なので必然的に、物価連動国債を詰め合わせた投資信託を購入することになります。

様々な償還年を組み合わせているので、何かが起きて債券価格が下落した時に下げ幅が限定されますし、全体的に値動きが安定するというメリットがありますが、償還年がバラバラなので確実に儲かる!というタイミングが存在しません。

どの道こういった投資信託を買うしか方法がありませんが、そこまで悪い条件ではないと考えます。

ファンドはいくつかありますが、どれも大して変わらないので一番手数料の少ない以下のファンドで問題ないと思います。

東京海上-東京海上セレクション・物価連動国債

物価連動国債のおすすめの使い方

貯金を現金50%、物価連動国債50%程度で持つことを推奨します。

デフレに強い現金と、インフレに強く、デフレにもそこそこ強い物価連動国債を持つことでインフレとデフレの両方に備えられるという意味と、すぐに引き出せる現金を少なくとも半分は持っているべきという意味があります。

結論:日本という国が破綻しない限り(したとしても)物価連動国債は貯金を守る強い味方

ある程度の欠陥はありますが、現金と組み合わせることでインフレからもデフレからも貯金を守れる物価連動国債は、資産防衛の強力な味方です。ぜひ利用してみてください。

それでは、ここまでお読み頂きありがとうございました。

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米国株が直近で20%上昇していてもさらに暴落していくと考える根拠

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