この記事では、香料分野で世界をリードするスイスの多国籍企業、ジボダンについて紹介します。
ジボダン【 ティッカー：GVDNY】
スイスのジュネーヴに拠点を置くジボダンは、世界最大級のフレーバーとフレグランスの製造会社です。その製品は食品や飲料のメーカー、さらには化粧品メーカーに供給され、家庭用品や香水など、私たちの生活のさまざまな場面で香りを添えています。
ジボダンの香料は世界中の食品・飲料メーカーに広く採用されており、同社は香料とフレーバー産業において大きな市場シェアを占めています。45カ国以上にまたがる広大なネットワークと強力な研究開発能力、そして約9,000人もの専門的な従業員を擁していることから、その地位は揺るぎないものとなっています。
ジボダンの各投資指標
- ROE：20.98%
- PER：33.61
このようになっています。
ジボダンは世界で稼ぐ先進国企業
今後、ますますアジアとアフリカの人口シェアは増えていき、GDPのシェアも既に新興国が先進国を抜いていますが、今後さらに引き離していきます。
今後は先進国だけでなく、新興国も含め、世界中で大きなシェアを取ることがますます重要になっていくのです。
ジボダンは世界中の企業に香料を提供し、この世界的な流れに対応しています。
ジボダンは高付加価値企業
ジボダンの提供する香料は、それぞれの製品の魅力とブランドイメージを高め、消費者の心をつかむ鍵となっています。
嗅覚は、人間の五感の中でも非常に強力であり、私たちの記憶や感情、そして行動に深く関わっています。ジボダンの香料が生み出す香りは、消費者の心に強く印象づけられます。その香りが、消費者がその商品を再び選ぶ大きな動機となり、リピート購入を促します。
このように、ジボダンは企業にとっての価値を創出し、消費者にとっては魅力的な製品体験を提供することができます。
ジボダンは強固な参入障壁を持つ
他社の製品への切り替えはコストが高いため、一旦ジボダンの製品を採用した企業が他の供給元に乗り換えることは困難です。例えば、高級香水メーカーがジボダンの香料を使用している場合、その香水の香りは消費者の購買意欲に大きな影響を及ぼします。もし香料の供給元を変えると、香りが変わり消費者の購買意欲が減退する可能性があります。
さらに、香料のコストは全体の経費の一部に過ぎないため、別の供給元に切り替えても大きな経費削減にはなりません。例えば、ある香水メーカーの全体の経費のうち、ジボダンから購入する香料のコストが全体の5%であったとします。もし別の供給元に切り替えて、香料のコストを半分にに削減できたとしても、5%の半分なので全体の経費削減はわずか2.5%に過ぎません。このような僅かな経費削減のために、香水の香りの変化による消費者の購買意欲の低下リスクを取る企業はそうそういないでしょう。
これらの要素を総合してみると、ジボダンは高い競争力を持つことがわかります。
ジボダンは長期潮流に乗っている
製品の香りは、人々が購買決定をする際の重要な要素であり、それが消え去ることはありません。そのため、香料を提供するジボダンは、商品が持つ魅力を高める重要な役割を果たしています。
ジボダンは香料業界を寡占しており、その競争優位性は強固な参入障壁によって保護されています。同社の提供する製品は、先述の通り他社の製品に切り替えることは困難です。このため、一旦ジボダンを選んだ企業は長期的に同社の顧客となり、そのシェアは安定して維持されます。
さらに、経済が成長するとともに、香料の需要は増加する傾向にあります。高まる消費者の求める品質と多様性、新たな市場の開拓など、経済の拡大は直接的に香料の市場を刺激します。その結果、ジボダンは経済成長とともに持続的な成長を遂げる可能性があります。
これらの要素を合わせると、ジボダンは長期潮流に乗っていると言えます。製品に香りが求められ続け、そのニーズを満たすための能力を維持し続ける限り、ジボダンの未来は明るいものであると予想されます。
まとめ
スイスに本社を置くジボダンは、世界最大級のフレーバーとフレグランスの製造会社で、その製品は世界中の食品、飲料、化粧品メーカーに広く採用されています。香料の提供により、製品の魅力とブランドイメージを高め、消費者の再購入を促す高い付加価値を創出しています。また、ジボダンの製品への切り替えコストが高いため、一度採用した企業が他の供給元に切り替えることは困難です。このことが強固な参入障壁となり、安定した収益と競争優位性を保証しています。さらに、香料の需要は経済成長とともに増えるため、ジボダンの持続的な成長が期待されます。これらの要素から、ジボダンは長期的な視点で見ても明るい未来を持つと考えられます。
※注意点
私は現在この銘柄を保有しておりません。
