【保有銘柄】ダナハー【DHR】の銘柄分析

この記事では、戦略的なM&Aとその後のカイゼンによって事業ポートフォリオの価値を高め続けることで知られる世界的なヘルスケア企業、ダナハーを紹介します。

ダナハー【 ティッカー:DHR】

ダナハーは、アメリカ、ワシントンD.C.に本社を構える、医療・科学技術分野を中心に幅広い製品とサービスを提供する多角的な企業です。

ダナハー・ビジネス・システム(DBS)

https://investors.danaher.com/

ダナハーは「ダナハー・ビジネス・システム」(DBS)という独自の企業再生手法を採用しています。

DBSは、日本の製造業で培われたカイゼンなどの手法を参考にしながらも、ダナハー独自の改良を重ねたもので、事業の収益性をカイゼンするための経営戦略・手法群です。

ダナハーは主に、高いポテンシャルを持ちながらもうまく収益を上げられていない企業を買収し、DBSで高収益体質に生まれ変わらせることで成長してきました。

このような、親会社が買収先の企業に積極的に関わるコングロマリット企業は世界的にも珍しく、ダナハーの独自性が見て取れます。

ダナハーの4つの事業部門

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バイオテクノロジー部門:生物学的研究や医薬品開発に必要な高度な技術と機器を提供しています。

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ライフサイエンス部門:研究者や科学者が生命現象を理解し、それを応用した製品開発を行うための各種機器や技術を提供しています。

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診断部門:疾患の早期発見や診断、患者の健康管理に役立つ、高精度な医療機器とソリューションを提供しています。

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環境および応用ソリューション部門:水質、空気質、食品安全等の分析技術を提供し、より良い環境と生活を実現してきました。

今年度中にスピンオフを予定しているため、これ以降は扱いません。

売上構成

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このように、多様な分野からバランスよく収益を上げています。

それぞれの意味は以下の通りです。

収益源のほとんどを継続的に発生するものに転換

https://investors.danaher.com/

M&Aとスピンオフによる事業の入れ替えで、売上が定期的に発生する事業の割合を増やし、安定的な体質へと変革しています。

直近でも今年度中の環境ソリューション部門のスピンオフを予定しており、さらなる高収益を目指す姿勢は評価できます。

ダナハーの株価推移

1985年以降、年利20.01%で上昇を続けています。

ダナハーの各投資指標

過去10年の平均ROEは14%、ROAは8.5%と比較的高く、EPSとBPSもじわじわと伸びています。ダナハーの高い競争力と安定した収益の拡大が窺えます。

ダナハーは世界で稼ぐ先進国企業

今後、ますますアジアとアフリカの人口とGDPのシェアは増えていき、経済の中心は東側にシフトしていきます。

自国内や先進国だけでなく、このような新興国でも収益を上げることが、企業にとっても保有する株式の値上がりを望む投資家にとっても、今後ますます重要になっていきます。

https://bit.ly/45MtYxo

https://bit.ly/3N8NMTx

ダナハーは世界中で事業を展開し、この世界的な流れに対応しています。

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ダナハーは高付加価値企業

ダナハーは、医療と科学技術の進歩を支える重要な製品とサービスを提供し、
高い付加価値を創出しています。

同社の製品とサービスは、研究開発から診断まで、
医療や科学技術の各分野における日々の業務に欠かせないものとなっており、
研究成果の向上や医療サービスの質の向上を可能にしています。

ダナハーはその製品とサービスにより高い付加価値を提供していると言えるでしょう。

ダナハーは強固な参入障壁を持つ

ダナハーが提供する診断機器や生命科学研究用の高度な機器などは、医療と科学の進歩を支える重要な役割を果たしており、この分野では精度と信頼性が求められます。

これらの製品が誤ったデータを提供すれば、医療の現場では誤診を引き起こす可能性があり、また研究の場では誤った結果に基づいて行動してしまう可能性も生じます。
そのため、医療機関や研究機関が信頼性がまだはっきりとしていない新規参入企業の製品に乗り換えることは普通考えられません。

ダナハーの製品は、長年の実績から医療業界や科学研究界で非常に高い信頼を得ています。

さらに、製品を乗り換える際には、新たな設備投資やスタッフの研修が必要となるため、乗り換えコストも非常に高いです。

これらの理由から、ダナハーは強固な参入障壁を持つと言えます。

ダナハーは長期潮流に乗っている

ダナハーは、新興国の経済発展、世界的な平均寿命の伸び、そして健康志向の高まりという長期潮流に乗っています。

新興国が経済的に成熟していくにつれて、医療環境の整備が必要となります。

その中で、ダナハーが提供する診断製品やライフサイエンス製品は、医療インフラの整備に欠かせない要素となっており、その製品群が基本的な医療ニーズを満たす道具として広く使われることが期待できます。

さらに、全世界的に見て平均寿命の伸びが続いており、特に先進国では高齢者の医療ニーズが増大しています。

高齢者の健康維持には、ダナハーの製品群による定期的な検査が必要不可欠となり、このトレンドもダナハーの成長を後押ししています。

また、健康に対する意識の高まりから、疾患の早期発見や予防、そして健康維持に対するニーズが増えています。

ダナハーの製品は、これらのニーズに対応するための高度な検査を可能にしています。

これらの長期的な潮流は、ダナハーの製品に対する需要を増大させ、その結果として収益の拡大が見込まれます。

まとめ

ダナハーは、戦略的なM&Aカイゼンにより事業ポートフォリオの価値を高め続けている世界的なヘルスケア企業です。

同社はアメリカのワシントンD.C.に本社を構え、医療・科学技術分野を中心に幅広い製品とサービスを提供しています。

ダナハーは独自の経営手法である「ダナハー・ビジネス・システム」(DBS)を採用しており、高いポテンシャルを持ちながらうまく収益を上げられていない企業を買収し、高収益体質に生まれ変わらせてきました。

同社はバイオテクノロジー部門、ライフサイエンス部門、診断部門、環境および応用ソリューション部門の4つの事業部門で構成されており、高い付加価値を持つ製品とサービスを提供しています。

ダナハーは強固な参入障壁を持ち、高い信頼性を誇る製品群を提供しており、世界的なヘルスケア需要の高まりにより今後も成長が期待されています。

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