【保有銘柄】ゾエティス【ZTS】の銘柄分析

この記事では、動物医療分野で世界トップシェアを誇るアメリカの多国籍企業、ゾエティスを紹介します。

ゾエティス【 ティッカー:ZTS】

ゾエティスは、ニュージャージー州に本社を構える、動物医療製品とサービスを提供するアメリカの多国籍企業です。

ゾエティスの事業は大きく二つに分けられます。

一つはペット向け事業部門で、ここではペットの健康を維持し、病気の予防や治療に役立つワクチンや薬を製造しています。

一方、家畜向け事業部門では、鶏、豚、牛などの家畜の健康管理や疾患の診断と予防、治療を支援する製品やサービスを提供しており、食肉産業や乳業の持続可能性に貢献しています。

売上構成

このように、多様な分野からバランスよく収益を上げています。

それぞれの意味は以下の通りです。

様々な分野でトップ3位以内のシェア

ゾエティスの強さが見て取れます。

ゾエティスの株価推移

2013年の上場以来、年利19.93%で上昇を続けています。

ゾエティスの各投資指標

過去10年の平均ROAは15%と非常に高く、EPSとBPSは安定的に、かつ急速に伸びています。これらのことから、ゾエティスの高い競争力と安定した収益の拡大が窺えます。

ゾエティスは世界で稼ぐ先進国企業

今後、ますますアジアとアフリカの人口とGDPのシェアは増えていき、経済の中心は東側にシフトしていきます。

自国内や先進国だけでなく、このような新興国でも収益を上げることが、企業にとっても保有する株式の値上がりを望む投資家にとっても、今後ますます重要になっていきます。

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ゾエティスは世界中で事業を展開し、この世界的な流れに対応しています。

ゾエティスは高付加価値企業

ゾエティスは、動物の健康と福祉に直結する製品とサービスを提供し、その結果として高い付加価値を創出しています。同社のワクチンや医薬品は、ペットや家畜の健康管理に必要不可欠であり、個々の動物の生活の質の向上から、食肉や乳製品といった人間の生活にも直結する産業の持続可能性に貢献しています。

ゾエティスはその製品とサービスにより高い付加価値を提供していると言えるでしょう。

ゾエティスは強固な参入障壁を持つ

ゾエティスが提供する動物医療製品の市場規模は小さいため、大手製薬会社にとって新規参入の旨味が少ないといえます。

また、人間向けの医薬品と異なり、動物医療品は保険適用外であるため、行政からジェネリック使用の勧告がなく、特許切れに伴うジェネリックの普及スピードが緩やかです。

さらに、ペットは大切な家族の一員として見られるため、その健康管理には信頼できる製品が求められます。

家畜分野においても、家畜の間で病気が蔓延すると殺処分が必要となり、大規模な経済損失を招くため、畜産農家は信頼できる企業の製品を選びます。

ゾエティスの製品はその効果と安全性が確立されており、高い信頼性を得ています。

これらの理由から、ゾエティスは強固な参入障壁を持つと言えます。

ゾエティスは長期潮流に乗っている

ゾエティスが扱う動物医薬品は社会的な長期潮流に合っているため、そのビジネスはさらに拡大する可能性が高いです。

まず、先進国では人々とのつながりが希薄化しているとされており、この傾向はペットを飼う人々の数の増加につながっています。また、新興国の経済成長とそれに伴う富裕層の増加は、ペットを飼う文化の広がりを促進しています。これらの動向は、ゾエティスのペット向け製品の需要増加に寄与しています。

さらに、世界的な人口増加に伴い、食料としてのタンパク質の需要も増大しています。特に新興国では、経済成長とともに肉食の増加が見られており、家畜に対するワクチンや薬品の需要が増える可能性があります。これはゾエティスの家畜向け製品の市場を拡大する潮流となります。

これらの長期的な潮流は、ゾエティスの動物医療製品への需要を継続的に推進するものであり、そのビジネスの成長と安定性を支える強固な土台となっています。

潜在的な懸念材料としては、次のような要素が考えられます。

ペット向けの事業においては、完全なペットロボットが開発された場合、ゾエティスのビジネスに影響を及ぼす可能性が存在します。

しかし、多くの人々が生身の動物との絆を重視し、機械であることを知るだけで情緒的なつながりを感じにくいという傾向が一般的であると考えられます。

このため、ペットロボットが主流になる可能性は低いと見込んでいます。

一方、家畜向けの事業では、人工肉の開発が進行中ではありますが、まだ商用化に至る段階にはないのが現状です。

これが将来的に成熟し、広範囲に普及する可能性はあります。

しかし、消費者が人工肉をどれだけ受け入れるかは不透明で、遺伝子組み換え食品に対する消費者の抵抗感や疑念と同様に、人工生成物が受け入れられにくいのは確かです。

そのため、このような技術革新が起きたとしても、ゾエティスへの影響は限定的であると予想されます。

まとめ

動物医療分野で世界トップシェアを持つゾエティスは、ペットや家畜の健康管理に必要な製品やサービスを提供し、それぞれの分野で高いシェアを維持しています。

特に、新興国の経済成長やペットの増加、肉食の増加などの社会的な長期潮流により、製品の需要が増加しており、ビジネスの拡大が期待されています。

さらに、動物医療品の市場は高い参入障壁を有しており、ゾエティスの製品は高い信頼性を得ています。このため、ビジネスの安定性も確保されています。

将来的にはペットロボットの普及や人工肉の商用化などの技術革新が影響を及ぼす可能性もありますが、現時点ではそれらの影響は限定的と予想されます。

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