TransDigm Group Inc.は、商業用および軍事用航空機に不可欠な部品の製造・販売と修理・メンテナンスを行う企業です。
世界の多くの地域で事業を営んでいます。
同社の売上の90%は同社が独占的に販売する部品によるものであり、事実上同社の部品なしでは航空機は飛ばないと言われています。
TransDigmは戦略的な買収を繰り返すことによって事業ポートフォリオを強化してきました。
航空機の寿命は50~60年と長期で、その期間中に何度も部品交換の必要が出てきます。
TransDigmの製品の約75%がこのようなアフターマーケットで継続的な収益を生み出しており、修理やメンテナンス市場からも大きな利益を上げています。
同社は高い粗利率を誇ります。
これだけ魅力的な市場であれば他社も参入してきそうなものですが、かなり難しいと考えられます。
まず、商業用航空機は何百人もの命を乗せて飛びますし、軍事用航空機は国防の要です。安易に他社の製品に乗り換えることで得られる少しの金銭的な節約に比べて、失敗した場合のリスクが大きすぎます。
また、航空機及びその部品にはFAA(Federal Aviation Administration) certificationによる厳格な規格があり、無許可で販売することはできません。
さらに、TransDigmの部品の平均価格は10000ドル未満であり、部品の費用が機体全体や航空会社・軍の経費に占める割合は非常に低いため、仮に部品をTransDigmの半額で調達できたとしても、節約できる経費は全体からするとごく僅かに過ぎません。
このため乗り換えのインセンティブ自体が生じにくい構造となっています。
これにより、一度顧客となった航空会社・軍は、TransDigmの製品を継続的に使用することがほとんどで、同社の独占状態は今後も続きそうです。
これらを背景として、株価は上場来年利約30%で上昇を続けています。
また、航空宇宙産業は2023年から2032年の予測期間中に7.80%のCAGRで成長すると予測されています。
TransDigmは、強固なビジネスモデルと航空宇宙産業の成長を背景に、今後も成長を続けると考えられます。
私は同社の株を保有しています。
参考文献:
https://www.transdigm.com/investor-relations/presentations/