備忘録として、私が新NISAでeMAXIS Slim 全世界株式を選ぶ理由をメモしておきます。
新NISAの投資戦略
私は、新NISAでは今までと変わらず全世界株式のインデックスファンドと個別株を買います。
全世界株式をコアに据えて平均的な株価上昇を確保し、サテライトとして個別株を持つことで市場平均を超えるリターンを目指します。
この記事では、全世界株式のみを扱います。
個別株については以下の記事にまとめています。
S&P500か全世界株式か
そもそも、インデックス投資が良いとされる理論的根拠は現代ポートフォリオ理論にあります。
その現代ポートフォリオ理論の結論は、すべての株式の時価総額加重平均に投資するべし、というものです。
ここで言うすべての株式とは、この世に存在するすべての株式、つまり全世界の株式です。
つまり、投資対象を米国株式のみに絞ったS&P500より、全世界の株式を組み入れている全世界株式の方が、現代ポートフォリオ理論に則った投資ということになります。
ですので、インデックス投資をする以上、私は全世界株式の方がいいと考えています。
そのため、全世界株式の方を選びます。
現代ポートフォリオ理論については以下にまとめています。
投資信託かETFか
私は投資信託を選択します。
私の場合(ほとんどの方もそうでしょうが)、基本的にはコツコツとドルコスト平均法で積み立て投資を続けていくことになります。
ETFの場合、1株単位でしか買うことができず、1株の値段も高いので、正確なドルコスト平均法を実行することができません。
例えば毎月10万円積み立てる場合を考えます。
ある月にETFが1株20,000円だったので5株買い付けたとします。10万円分買い付けることができました。
翌月には1株17,000円まで下落していたとします。ドルコスト平均法ですから、下落した今こそ多く買い付けたいところです。
しかし、この場合6株しか買うことはできず(17,000×6=102,000>10万)、5株しか買えないので85,000円分しか買い付けられません。
このように、ETFでは高いときに少なく買って安い時に多く買うというドルコスト平均法を正確に実行することができません。
それに対して、投資信託ならば1円単位で買いたい金額分だけ買うことができるので、ドルコスト平均法を実践できます。
そのため、私は投資信託を選びます。
eMAXIS Slim 全世界株式を選ぶ理由
全世界株式の投資信託は数多く存在します。
私がその中でもeMAXIS Slim 全世界株式を選ぶ理由を説明します。
純資産総額が最大
eMAXIS Slim 全世界株式は数ある全世界株式型のインデックスファンドの中で一番人気のファンドですので、純資産総額が最大です。
運用会社の姿勢が良い
純資産総額が大きいとしても、運用会社にそれを生かす意思がなければ意味がありません。
eMAXIS Slim 全世界株式の運用会社である三菱UFJ国際投信は、顧客に最大限の価値を提供することで顧客を獲得していこうという姿勢を行動で示しています。
具体的には、純資産総額が大きいことを利用して、後述するように償還リスクの低さやトラッキングエラーの少なさ、業界最安の手数料を実現することで、顧客に安心感を提供し、信用を勝ち取っています。
手数料が最安
eMAXIS Slim 全世界株式は、現在信託手数料が最安です。
また、同ファンドの運用会社が今後も業界最安を目指すと明言していますので、これを買っていれば自動的に手数料の一番安い投資信託を購入できることになります。
実際に、過去に他ファンドがeMAXIS Slim 全世界株式よりも安い手数料を設定してシェア拡大を狙った際、同ファンドはすぐにそれに合わせて値下げを行い、業界最安の手数料を維持してきました。
トラッキングエラーが少ない
インデックスに投資しているわけですから、投資信託もインデックスの通りの値動きをしてもらわないと困ります。
インデックスと投資信託の値動きのずれをトラッキングエラーと言いますが、過去データを見る限りeMAXIS Slim 全世界株式はトラッキングエラーがトップクラスに少ないです。
純資産総額が大きいことによってこれが実現できているのかは正直なところよくわかりませんが、動かす額が大きい方が
償還リスクが最も低い
新NISAで一番怖いのは投資しているファンドの償還です。
たとえば新NISA口座で1800万円投資して、そのファンドが償還されたときに2000万円まで増えていたとすると、再度別の投資信託を買い付ける際にはNISA枠からはみ出した200万円は課税口座で買い付けるしかありません。
含み益の分だけ利用できるNISA枠が減り、本当に最悪です。
全世界株式の投資信託は、価格(手数料)の他に違いがほとんどないコモディティ商品です。
そのため、基本的には手数料が最も安いファンドが選ばれます。
また、投資信託の運営にかかる経費は、運用する金額に関係なく、ほとんど一定だといわれています。
ですから、大きな金額を運用するほど運用額に占める経費の割合が低くなり、手数料を下げてもやっていける余裕が生まれます。
eMAXIS Slim 全世界株式は類似ファンドの中で最も多くの資金を集めていますから、価格競争力も最も高い、つまり手数料の値下げ合戦に勝ち残る体力があると考えられます。
そのため、eMAXIS Slim 全世界株式は類似ファンドの中で最も償還リスクが低いと考えられます。
他の証券会社に移管できる
ほとんど心配する必要のないリスクかもしれませんが、新NISAで利用していた証券会社が廃業する可能性も0ではありません。
もしそれが現実になったとしても、顧客の資産は保護されているため、資産自体が棄損することはありません。
ですので、課税口座で運用している商品についてはこのリスクを考える必要はありません。
しかし、新NISA口座でSBI-Vや楽天VTを購入していた場合、それらを販売・運用していた証券会社が廃業となると、それらの投信の運用会社ごとなくなってしまうので償還とならざるを得ません。
そうなると、先ほど説明したように利用できる新NISA枠が減ってしまいます。
そのため、SBI証券や楽天証券などの証券会社が販売している商品ではなく、第三者が販売している商品を積み立てる方が安心です。
これらが、私が新NISAでeMAXIS Slim 全世界株式を選ぶ理由です。
新NISA枠を埋め終わった後はどうするか
蛇足ですが、新NISA枠を埋め終わった後はどうするかを少し書いておきます。
私は家族分を含め3600万円分の新NISA枠を利用できます。
この枠を埋め終わった後は、リスク分散のために海外の証券口座で新規買い付けを行っていきたいと考えています。
無いに等しいとは思いますが、日本国が預金封鎖やそれに準ずる措置を行う可能性も否定はできません。
念のため、それに対する備えもしておくべきと考えています。
以上です。