【保有銘柄】Kinsale Capital Group Inc.【KNSL】の銘柄分析

Kinsale Capital Group Inc.【KNSL】

Kinsale Capital Group Inc. (以下「Kinsale」)は、E&S(Excess and Surplus)市場に特化した保険会社です。

E&S市場とは、リスクが高すぎる、特殊すぎるなどの理由で通常の保険会社が取り扱うのを躊躇するような保険市場を指します。わかりやすいもので言えば、通常の保険会社が大麻産業や銃器産業向けの保険の提供をためらうことは容易に想像できるでしょう。

取り扱う保険の種類は多岐に渡り、しっかりとリスク分散がなされています。

KinsaleはE&S市場向けの保険に特化する唯一の企業であり、このポジショニングにより強固な経済的な堀を築き、高い収益性を誇っています。

強固な経済的な堀

ニッチ市場

E&S市場は損害保険市場全体に対して市場規模が小さいニッチ市場であるため(9%未満)、通常の保険も扱う大手保険会社にとっては重要度が低いと考えられます。

このため、大手保険会社はこの市場にあまり注力できず、優秀な人材を揃えてこの市場のみに集中するKinsaleに強みがあります。

同様に市場規模が小さいため、新興企業が入り込む余地もあまりなく、新規参入のインセンティブにも乏しいと言えるでしょう。

乗り換えコスト

Kinsaleは、一般的な保険市場ではカバーされにくい特殊なリスクを扱います。顧客が一度Kinsaleの保険を利用すると、同等の保険を提供する他社を見つけるのは困難です。

そのため、顧客がKinsaleから他社に切り替える際には、新たな保険会社を見つけ、契約を結び直す必要があり、膨大な時間とコストを要するため、乗り換えが起こりにくいと考えられます。

高い収益性

これらの背景から、同社のROEは28%という高水準を誇り、売り上げ、利益、EPS/BPS、配当はすべて一貫した右肩上がりとなっています。

株価は順調に上昇

その結果、株価は上場来年利約42%という驚異的な勢いで上昇してきました。

今後も株価は上がるのか

経済的な堀は健在

ニッチ市場のみに特化したポジショニングにより大手企業に対しても新規参入企業に対しても優位性を持つことや、E&S市場特有の乗り換えコストにより、Kinsaleは強固な経済的な堀を築きました。

今のところ、これを覆されて同社が凋落する要素はまったく見えません。

長期潮流に乗っている

保険市場は今後も堅調な成長が見込まれています。特にKinsaleが特化するE&S市場は、リスクの多様化や社会の多様化に伴うニッチな需要の拡大により、通常の保険市場より高い年利約10%の成長が見込まれています。

長期保有を推奨

これらのことから、私はKinsaleは今後も持続的な株価上昇を遂げると考えており、同社の株を保有しています。

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