MPIが成立する理論的背景に関する考察

マンデルブロフラクタル理論というのを知って、これを使えばMPI(月足MACD&パラボリック投資法)が(あくまでもバックテストの結果ですが)良い結果を示す理由を説明できるのではと思ったので、それについて書いてみようと思います。

別に知らなくても投資の結果は変わりませんし、素人が考えたことなので間違えている可能性のほうが高いと思います。

現代ポートフォリオ理論について

本論の前に、現代ポートフォリオ理論に軽く触れる必要があります。

数式や理論は全てすっ飛ばして結論だけ大雑把に書くと、現代ポートフォリオ理論というのは以下のようなものです。

効率的市場仮説(すべての投資家はすべての情報を瞬時に取得でき、すべての情報は瞬時に株価に織り込まれる)が成立するなら(=株価騰落率の分布が正規分布になるなら)、インデックスファンドを買うのが一番いい

フラクタル理論について

細かいことは置いておくとして、現代ポートフォリオ理論が成立する前提条件である効率的市場仮説というのが成り立つならば、株価の騰落率の分布は正規分布になります。

ですが、ブノア・マンデルブロという人が実際の綿花の(おそらく先物の)騰落率の分布を調べたところ、まったく正規分布になっておらず、実際には軸に漸近するべき分布というものに近いことがわかりました。

私の方でもいろいろな指数の騰落率の分布を調べたところ、

以下のような結果となりました。

実際の分布は大体は正規分布に重なっていますが、実際の分布のほうが中央が高く、裾野が長い、反比例のグラフに近いような形となっています。

正確ではありませんが、このように実際の株価の騰落率の分布は正規分布ではなくべき分布なのではないか、というのがフラクタル理論だと思っていいと思います。

私見ですが、「効率的市場仮説が正しいならば株価の騰落率の分布は正規分布となる」と「騰落率の分布が正規分布でないならば効率的市場仮説は正しくない」は対偶の関係なので、これは市場は完全には効率的ではないという当たり前のことを、理論的に証明できているのではと思いました。

疑問に思ったこと

これを知って実際に検証してみて、なぜ理論の前提となる効率的市場仮説が成り立っていないのにも関わらず、実際にインデックスファンドが圧倒的なパフォーマンスを示し続けるのか疑問に思いました。

考えたこと

実際の騰落率の分布を見てみると、極端に大きな騰落率で正規分布を逸脱しているところ(1ヶ月で-20%とか)は少なく、小さな騰落率で逸脱しているところが多い(+2%とか)ことがわかります。

小さな騰落率のところがいくら正規分布を逸脱していようが、実際のところは別に問題ありません。大きな損も大きな得もありませんからね。

そのため、小さな騰落率の部分の逸脱は無視しても実質的には問題なく、大きな騰落率の部分での逸脱頻度は低いため、ほとんどの期間では実際の分布を正規分布と見做しても問題がなく、インデックスファンドが素晴らしいパフォーマンスを示し続けているのではないかと思いました。

ただ、そうなると無視できない大きな騰落率の部分での正規分布からの逸脱のときには、現代ポートフォリオ理論の前提が成り立たなくなり、パフォーマンスが劇的に下がります。

これが暴落なのではないでしょうか?

(暴落時にはボラティリティが大きくなり暴落途中に暴騰を挟むことも多いので、グラフの右側の逸脱も説明できます)

導かれる推論

これらの推測から、以下の推論が導かれます。

普段はインデックスファンドを保有して(なんならレバレッジをかけるとなお良い)、暴落時だけ売り抜ければ良い

これだけ小難しい理論をこねくり回してきたのに、小学生でも思いつきそうな理想論が導かれました笑

MPIはどうなのか?

こういうことを考えた上で考案したわけではないのですが、偶然にも、MPIは正に上記を体現したような手法です。

インデックスに連動するレバレッジETFを、暴落しそうなときだけ売って、落ち着いてきたところで買い戻すという内容ですからね。

まとめ

ということで、MPIって理論的にも悪くないんじゃない?ということでした。

今回の内容は自分でもあまり自信がないので、ご指摘も含めてご意見いただけると大変ありがたいです。

それではありがとうございました。

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